Misc Travelogues.

Monday, September 25, 2006

UK (May.96)

96年5月中旬、一週間ほどの日程で、イングランド中部・コッツウォルズ地方とウェールズ南部へ旅行しました。 往復航空券とレンタカー、現地3泊を手配。

第一日 東京~London/Blockley

イギリスは夏時間になっていたため、時差は8時間、Heathrow着は16:45になった。 HertzでFiatt Puntoを借り、急いで出発。あわてていたためか、M25の逆方向に乗って引き返すはめに。なんとかA40、A44に乗り換えてOxfordを通過。ほぼラウンドアバウトの度に方向を間違えつつも、なんとかMoreton-in-Marshを経て、薄暗い中、BlockleyのLower Brook Houseに着く。予約の電話通り、 20:00の到着になってしまった。
オーナーのAnn Porter-Milesさんから「この先にPubがあるから食事するといい」と教えられて、Pubへ。プラウマンズランチとパスタ、ビターとラガーで夕食。 £10くらい。満腹になって戻る。 Lower Brookの部屋は、「素敵な部屋」に出てきそうな可愛らしい飾り付けをされていて驚いた。オーナーは、雑貨や骨董のオークションでいろいろな小物を集めてくるという。しかし、欧米人にはこのサイズのベッドは厳しいのではないだろうか。

第二日 Blockley ~ Chipping Campden ~ Warwick

朝食。サーモンとキッパーを食べる。キッパーは鰊の薫製で、とても油っぽい。あいにくの雨模様。先週まで4週間も降らなかった、と聞き、ちょっと残念。でも曇っていても情感のある村だ。人口は2,000人くらいらしい。雨が上がらなかったら、丘陵の村よりStratford-upon-AvonかWarwickなどの街に行った方がいいよ、とのアドバイスを受ける。
とりあえず真北にあるChipping Campdenの街を目指す。National Trust管理の古いマーケットプレイスを中心とした、ちょっとした田舎街の風情。Blockleyから向かうと途中に茅葺き屋根が綺麗な小さな村、 Broad Campdenがある。 TICで、Walking Mapを買う。ここで日本人旅行者の家族を一組だけ見かける。 Walking Mapに沿って、怪しい空模様の下、Dover's Hill に登る。丘の上は見晴らしが良かったが、風と雨がきつくなり、早々に退散する。車で、数マイル北にあるHidcote Manor Gardenへ向かうことにする。
駐車場にはかなりの数の車があり、それなりに見学者で混んでいた。桜が満開で懐かしかったが、薔薇には早く、ポピーなどは蕾もいいところ。勿忘草など小さい花が間隙を埋めるべくがんばっていたが、ちょっと「シーズンの谷間」という趣で寂しい。ざっと見て、National Trust経営の付設レストランで昼食。ここは観光客ばかりなので気楽だし、値段もそこそこで便利。ショップで絵はがきなどを買って帰る。依然として憂鬱な天気なので、SnowshillやWinchcombeなどに行くのは諦め、 Warwickへ行くことにする。
16:00着。急いで城を見学する。眼下のAvon川の眺めが美しい。町中や競馬場をぶらぶら歩いて宿へ帰る。

新しい部屋(当初は一泊の予定だったので、二泊目を頼んだときに、別の部屋に移ることになった)は、3階の緑色系でまとめられていて、 Annの私室のとなりだった。斜めの部分は屋根で、裏から小鳥がコツコツつつく音がする。ここの廊下も綺麗に飾り付けられている。
昨夜のPubへ行くが、今日は満員(満席どころではなく立ち席も含めていっぱい)。しょうがないのでHigh Streetにある、 Crown Hotelのレストランへ行く。村中を歩いたわけではないのだが、どうみてもこの2軒以外に、夕食が取れそうな場所が Blockleyにはないようだ。 Crown Hotelは、上等な食事ではあったが、Hotelのレストランらしい価格だった。味は悪くはない。魚にしても鶏肉にしても火を通しすぎてしまうのは、イギリスの特徴なのだろうか。

第三日 Blockley ~ Slaughters ~ Bibury ~ Gloucester

今日は、Hatton Courtに向かう。Gloucesterに向かうと話すと、Annは首を振ってあそこはなにもないし、そんなによくない場所よ、と言う。もとより日中一杯はCotswoldsを回る気だったが、それならここに3泊していけばよかったかな、とちょっと後悔する。出がけに、昨日貸してくれた昨年度版の道路地図が役に立ったと礼を言うと、「なら持って行きなさい」とくれてしまった。感謝。再度、訪れることを約して出発する。

Cotswoldsのスポットとしてはマイナー(?)だが、Moreton-in-Marshと、Chipping Nortonの間にある、Rollright Stonesという、鉄器時代の環状列石遺構を見に行く。 A44から、Little Comptonという集落を抜けてすぐのはずなのだが、見つからない。 Farm Shopで、場所を尋ね、注意深く戻ると、それらしき木の門が道端にあった。反対側をよくみると、なんと2メートルほどある石が道端の草原の中に突き立っていた。しかしわかりにくいなぁ...と停車してぶつぶつ言っていたら、他にも「え?ここなの?」という調子で車が集まってきた。地図に載っているだけあって、やはり来る人は来るらしい。
草原の大石(King stone)はとにかく、反対側の列石 (これがRollright Stonesらしい)は、茂みの中なので見落とすのが普通だろう...。と思っていたら、やおら止まった車からおじいさんとおばあさんが降り、おじいさんが「よいしょ」とばかりにベニヤ板にマジックでRollright Stonesと書いた 道標を立て、ニコッとして「おはよう」と一言。その場にいたみんなも、これには思わず笑ってしまった。
近く菜の花畑の真ん中のFootpath沿いに、もう一つ列石遺構がある。

A436を使って、Cotswoldsの中心の一つ、Stow-on-the-Woldへ向かう。が、街は混みあっていて、気がつくと走り抜けてしまっていた。しょうがないので、南のBourton-on-the-Water へ行くことにする。こちらはStowほどごみごみしてはいないが、それでも観光バスが着いていて、いかにも観光地らしい賑わいを見せている。街の中心部である小川 と自動車博物館の観光写真スポットを見て、TICでWalking Mapを買う。
実はここからUpper/Lower SlaughterへのWalkingを考えていたのだが(歩いていた人も多かった)、時間がないので、Lower Slaghterに車を置いて、一時間ほどで回れるUpper Slaghterとの往復にする。このFootpathはとても景色がよくてお薦め。牧場の羊の中を通って着いたUpper Slaghterは、10分もあれば一周できてしまう鄙びた雰囲気の田舎で、草原をバックに静かに立つ Lords of the Manor Hotel(ここは日本のガイドブックにも紹介されていた)や、壁に日時計がついている石造りの教会などがある。
遠くからみると、風景全体が絵本の挿絵かなんかじゃないかと思う。この道をWalkingをする人もなかなか多く、みな思い思いのところで座って休憩したり食事をしたり、まさにハイキングの風情である。

13:00になってしまったので、Cotswoldsの目玉であるBiburyへ行く。William Morrisがもっとも美しい村、と讃えた曰くつきの場所でもある。が、Fosse Wayを南下したものの、ちょっと寄り道をして、Northleachの北の小さな村(Farmingtonや Sherborne,Windrushなど、沢沿いのやっと地図に載るか載らないかの小さな村)を抜けて走っていたら、Burfordまで行ってしまい、戻る羽目に。
B4425でBiburyに入り、運良くArlington Rowの前に車を置く。当たり前だが観光客が多い。Swan Hotelの前はたいへんな賑わいで、予想とずいぶん違う。
怪しい雲行きがちょっと心配だったが、とりあえずArlingtonの丘の向こうの牧草地を回るFootpathを歩き始める。案の定、Bibury Court Hotelの裏手、水車の美しい集落のあたりで雨が。しかもフィルムも切れ、無念..。すぐに上がった雨の後、Abington,Winson,Calcot,Coln St.Dennis などのこじんまりした集落を辿ってFosse Wayへ戻る。

最後にChedworthのRoman Villaへ向かうことにした。道は起伏が激しい上に一車線。しかもようやくたどり着くと、月曜日はおやすみだった...。まあ、ドライブということで。
A417で、 Gloucesterに入り、宿のあるUpton St.Leonardへ。ここは小高い丘の上で、M5方向がよく見える。ホテル自体は残念ながら「郊外の洒落た都会的なホテル」といった趣。決して質は悪くはないのだが、観光客向きではない。これならもっと高くつくけれど、Cotswolds域内のManor House に泊まってもよかったか、と思われた。せっかくなので、くつろいで食事を楽しむことにする。

第四日 Gloucester ~ Ross-on-Wye

朝食を取って出発。ゴルフ場の中にあるPenswick Beaconに登る。ゴルフ場といっても柵もなくカートも走らなければ瀟洒なクラブハウスもない。
長距離Footpathとして有名なCotswolds Way (BathからChipping Campdenまで続いている)も中を通っている。丘に登り切ると360度の視界が開けた。当然風もかなりきつい。すぐ下に人の気配がすると思ったら、そこがこのホールのグリーンで、おじいさん2人が淡々と毎朝の日課のように、ラウンドを回っていた。まるでゲートボール感覚である。

下りてPenswickの街へ。のんびりした街だが、それなりに賑やかで、丘陵地帯の村とはまた趣が違う。 TICのリストには、たくさんの日本人の名前があった。石の色がやや灰白色っぽくなってきて、あの煤黄色(蜂蜜色)の壁とはちょっと違う。
M5から再びM4に入り、Severn川を渡る。すぐに下りてChepstowへ。Wye川河畔に建てられた、巨大な Chepstow城を見学する。Walesで最初に見学した城である。中庭の芝生でお弁当を食べている人もいる。続いてWye川沿いに北上し、Tintern Abbeyへ。
Walesは、道の感じや植生が日本に似ている気がする。山がちなせいもあるのだろう。道幅もそんなに広くなく標識も気持ち少ないようだ。 Tintern Abbeyは修復中だったが、社会見学の小学生で賑わっている。すぐ先にあるTinternのOld Station(昔の鉄道駅の跡)は、駅舎がレストランになっていて屋外で食事ができる。ここでチキンカレーを食べる。わたすげが激しく飛んでいてのどかな風情。駅舎の向かいの信号所跡 の2階では、おばあさんが絵を売っていた。

Monmouthに入ろうとしたところ、街の入り口で大渋滞に出くわす。こんな田舎でいったいなにが?といぶかっていると、前から歩いてくる人(買い物帰りのおばさんとか散歩しているおじさんとか、普通の人)が、前の方から一台一台の車になにか説明している。
曰く「凄い事故がこの先の交差点で起こってしまって、もう3時間も通行できない。話によると6時までは動かないそうだ。」とのこと。「どこまで行きたいんだ?」と尋ねられ、Ross-on-Wyeだと告げると「それならここを戻ってここを回ればいいよ」と親切にも教えてくれる。さして慌てたようでもなく当然のことのように、礼を言うと最後に「My pleasure.」と笑顔を添え、悠然とやってくれるのだからこの国は凄い。まぁ、ロンドンではこうはいかないのだろうけど。

Monmounthは残念だけど諦めて、Dean Forestの真只中を迂回して、Ross-on-Wyeへ向かう。走れば走るほど信州の高原みたいなところだなぁ、という印象が深くなる。さして迷わずにRoss-on-Wyeに到着。街はWye川の河岸段丘(かなり急な崖である)上にある。いかにも鄙びた宿場町といった風情で、さほど小さいわけではないのだろうが、なんとなくコンパクトな印象を与える。
崖を下ったWye Streetにある、The White HouseというB&Bに宿泊することにする。道を戻って、南にあるGoodrich城を見学に行く。Goodrichの村から小高い丘を登っていくと赤茶色の砂岩でできた城が見える。丘は崖になってWye川に面しており、ここからのWye川の景色もなかなか綺麗。風化した城壁は堀の底の巨大な岩盤の上に建てられていて、なかなかの迫力がある。
Rossに戻って散策。Prospectと呼ばれる教会横の公園からの眺めは、美しい。ここは17世紀に激しい黒死病の流行にあっていて、そのときの墓地が教会の周囲に静かに広がっている。またProspectの隣のRoyal Hotelは、昔の城域に建てられていて、ホテル内の由緒ある建物などのツアーをいつでもやっている、とのこと(時間がなくて見られなかったが)である。夕食は、マーケットプレイスのある中心街の並びのPubで済ませる。地元のバンドがカントリーギター風の生演奏をやっていた。欧米人(Offa's Dikeを走破しようとするバックパッカーがたくさんいる)以外の観光客は珍しいのか、ずいぶんジロジロ観察されてしまった。

第五日 Ross-on-Wye ~ Raglan ~ Abergavenny

朝食後に、The White Houseのオーナーのおじさんに、Walesでの行き先を相談する。「車があるなら、RhadarからEllan ValleyへドライブしDevil's Bridgeに抜ける湖畔のドライブは素晴らしい。」素晴らしい、とは言わず、そこでおじさんは片手の指を口にあててチュッと音をたてて開いてみせる「投げキッス」みたいな仕草を繰り返した。
「Valley近辺は値段が高いから、西岸(!)に抜けて、海沿いの町で泊まりなさい。その後で、 Betws-y-Coedへ行って、Horse Shoe passを見るといい。ここも (チュッ) だよ。」残念ながら、そこまで日程に余裕がないので、おじさんの提案は次回(いつのことかは未定だが)の計画として、Raglan城を見てから、Brecon Beacons National Parkの入口にあたるAbergavennyへ向かうことにする。

Raglan城は、A国道のすぐ側の見晴らしのいい平原にある。他の城と違って装飾的で多角形を多用したデザインは、この城が中世晩期の建築であり、設計者がフランスの影響を受けていたため、との説明だった。この城も、他の多くの城同様、WalesからHereforedshire/Gloucestersgireへの侵入を防衛するために築かれ、清教徒革命中は王党派の拠点として機能したそうだ。そしてまた他の中世の城塞と同じく、クロムウェルによって破壊されてその使命を終わっている。空は曇り、豪雨とまではいわないが、かなりの強風・強雨なのに、ここでも出くわしたウェールズの子供たちは傘どころか帽子もかぶらず平然としている。

AbergavennyのTICで、暖を取りながら、リストから宿を選ぶ。条件は「安くて、町からそこそこ近い場所」。で選んだところは、Try-y-BrynというCottage。町中から、クリケットコートやレジャーセンターを抜けて北に向かう。道が細くなったところで左折して Sugar Loaf Mountainの尾根を登って行ったところにあった。とても眺めがよくて非常に満足。正面にSkirrid Fawr Mt.を見て眼下にはAbergavennyの町が見える。その目の前の谷を、たまに列車が走っていく。
週貸しで£150、朝食つき一泊£18から。夕食も£10.25でアレンジしてくれる。 cottageは、木炭をくべるストーブとガスストーブ、電気暖房が入っている。トイレとシャワーは携帯型の簡単なものだが、キッチンには食器やナイフなども揃っている。ただタオルやアメニティ用品などはない。いわゆる貸山荘に近い。TICの分類ではSelf-Cateringとなる。ソファとダブルベッドがあるので、大人3人は寝ることができる。もちろんTVもある。窓際にテーブルもあるので、書き物をするにもいい環境だと思う。
オーナーは、Christopher & Sandra Belcham夫妻で、他に犬が数匹、ポニー、ロバ、羊、鶏たちがいる。クリスはエンジニアだが、今は会社勤め半ば、牧場およびB&B経営半ばといったスタンスで仕事をしているという。昨日、フランス旅行から帰ったばかりとのこと。夕食を頼んでおいて、Abergavennyへ。
St.Mary's Churchでは、14世紀から16世紀にかけてのこの教区の支配者一族を型どった、珍しい木彫の修復現場を見せてもらう。横たわった人物が足下に犬や悪魔などを敷いているモチーフは、どこか東洋的でもあり、面白かった。Safewayでお菓子やお土産にするジャンクフードなどを買い込む。
8時から家で夕食。帰宅したばかりで羊を捌いてないため、鶏肉とのこと。Walesでは、大部分の羊は羊毛ではなく食肉用に飼育されているそうだ。サンドラが、明日、Newportで男声合唱のチャリティ・コンサートがあるが、行きたいなら券を取ってあげる、と言ってくれた。Walesの男声コーラスは有名なので、お願いする。
仕事や旅行のことなどをいろいろと話すうちに、時計は22:30をまわる。おやすみを言ってcottageへ引き上げた。落ちついた雰囲気の中で、手紙を書いて寝る。

第六日 Abergavenny

天候は晴れ。今日はSugar Loafに登ろうと計画している。600m弱しかない山だが、そこそこ距離がありそう。
Deriと呼ばれる、小型の樫の木が延々続く美しい林を抜けて尾根に出る。ここはNational Trustの管理地になっている。
Deriのあるこの尾根と、沢を挟んで向かい側の尾根の間、St.Mary's Vale と呼ばれる谷間には、小さな民家がいくつか見える。絵本の中のような風景だ。イギリスの山はみんなそうなのか、ある程度上からは、林が刈払われて低木しか生えていない。尾根の上を大きく迂回して、左前方の嶺へ至る道筋がずっと続いている。
林を抜けると風がきつい。尾根の上は牧場と荒地になっていて、そこかしこに羊がぶらぶらしている。宿の裏口から、ずっと先に立って道案内をしてくれる犬が、道筋に入り込んでいる羊を見つける度に追い払う。
道を教えてくれたサンドラが言ったように「あんなところまでたどり着けるのか?」と思っていた嶺も、徐々に大きくなり、一時間半を過ぎる頃には、最後の岩場に取りつくことができた。平たい山頂に立つと、吹きっさらしの風の中、Abergavennyの街が遥か下に見え、一方にはこの山よりずっと高くて深い、Black MountainとBrecon Beaconsの山並みが遠望できた。
天候が変わりやすいことを除けば、日本の山などとは違って道中も展望が良いので、簡単なハイキングに最適である。道は何本かあるが、見通しがよいので、自分が下りるべき尾根筋を間違わなければ問題はないと思う。昼を回った頃に、ようやくcottageに帰り着く。着替えて休憩。戸口に昨夜頼んでおいたチケットがある。 Abergavennyへ出る。

Grasshopperという名前のレストランで遅めの昼食を取り、手紙を投函してから出発。まずは を経てNewportからCardiffへ。おみやげ品を買いにCardiff城の周辺を回るため。途中でBelcham夫妻にも教えてもらったBig Pit(石炭鉱山)のあるを通る。ロンダ渓谷の街で、色付きレンガをモザイクのように配した家の並びがとても美しい。
National Trust 管理のレンガ作りの巨大な製鉄所跡なども道から見えた。時間があれば寄りたかったのだが、雨がひどく、とりあえずお預けにしてしまった。その後、予想外に Cardiffに早く着いてしまい時間が余ったので、ほんの少しでも寄ってくればよかったと後悔する。
NewportからM4でCardiffへ。予想していたより時間がかかった。おまけにさすがにWalesの首都だけあって、街も大きいし、人や車も多い。ロンドン以外のイギリスの大都市を見るのは初めてなので興味深い。城へ行くが、風雨がひどいので城門向かいの土産もの屋で、お土産を買う。さらにちょっと駅の方向に戻ったCastle Archade内のLove Spoon Shopにも立ち寄る。こちらは専門店だけあってやや高いが、品ぞろえも豊富。いくつか買い求める。

Newportへ。会場のLeisure Centerがどこかわからず、近くに止まっていた車に先導してもらう。 City Centerと道路標識には出ている場所で、屋内プールやスポーツジム軽食を取れるカウンターなどがある。市民会館のノリ。ホールへ入ると、そこはバスケットなどができる板張りの体育館だった。とりあえず席に着く。年輩の人が多い。チェルノブイリの子供たちのためのチャリティとのことだった。入場料は£5で、中で売られるパンフレットやアイスクリームなどの収益も寄付されるそうだ。合唱曲そのものはよかったのだが、いかんせん音響効果が無いに等しいので、迫力という点では今一つだった。指揮者が軽妙なトークで聴衆を沸かせるのだが、さすがに会話についてはいけなかったし。 夜道をcottageに戻ると23:30近かった。なにはともあれ寝ることにする。

第七日 Abergavenny ~ London

朝、昨夜、遅かったためにBelcham夫妻に朝食の時間を伝えていなかったが、8時に行くと、すぐに用意してくれた。
昨夜の話や山に登ったときの話をする。ロンダ渓谷の街では、数年前にボタ山が崩れて学校をのみこみ、生徒が多数死傷したそうだ。再会を約して出発。彼らの写真を取り忘れたのが残念だった。

Abergavennyに別れを告げて、再びNewportからM4に乗って一路、ロンドンへ。行きはいきなりの雨に緊張していたためか、今日はあっという間だった。帰りは並のスピードで走っているのに時間が長く感じる。
1時半、Heathrowに帰着。レンタカーを返却してTerminal 4に送ってもらって、地下鉄乗り場にあるB&B Booking Centerで宿を取る。
あとはKew Gardenに行く予定があるだけなのでその辺を希望すると、その辺りは高いのでとGloucester Road近くのAdelphi Hotelを朝食つき£65で取ってくれた。行ってみると、駅からすぐだし予想外にいいホテル。5階の部屋はCromwell St.に向いたバルコニー付きで、通りが見おろせる。 Kew Gardensへ。あいにくの空模様に加え、数十年ぶりの5月の異常気象(寒気)だとかで、薔薇も芽吹いてさえいなくて残念。人気の無い庭園をのんびり見てまわり、お茶を飲んでお土産を買って帰ることにする。
地下鉄でVictoria St.まで行き、駅やコーチステーションなどを見物。そういえばロンドンは、過去もほとんど見てまわっていない。上野のような旅の不安や期待でソワソワした雰囲気が、旅を終えかけている私たちにもひしひしと伝わってきた。駅前のShakespeareで、Fish & Chipsとビール。観光客で賑わっている。

第八日 London ~ 東京

朝、朝食が含まれていない(ホテルのinputミス)と言われて朝食が遅れる。どうやら昨日のHeathrowのBooking Serviceの女性が間違えたようだ。Voucherに「朝食込み」となっていることを再確認してもらい、ようやくありつくことができた。
そういえば昨日の女性も、ホテルのフロントもかなり忙しそうだ。やはりロンドンの相場って、高かったんだよな~、と納得。新聞も3種くらいついてきたし。

Bank Holidayを控えてか、みなとても忙しそうにしている。
Heathrowで出国して、予定通り搭乗、トラブルもなく帰国の途につく。 Virgin Atlanticはとても快適だと思う。なんといっても映画が何本も見られるのがよい。だが、その分、飛行機の中で暇を持て余して旅情に浸る...ということがなかったので、いささか残念でもあった。
久しぶりの非アジア圏だったが、それなりに楽しめた。
車に乗ったり、田舎を訪れてみたりしてわかったのは、この日本より狭い国の人たちが、なんと豊かな精神生活をしているか、するだけの基盤が整えられているか、ということだった。確かに日本とは比較にならない税負担など、決して明るい面のみではないが、中途半端な負担を強いられて、納得がいかないリターンしかもらえないのならば、必要なだけ払ってでも納得のいく行政・社会サービスが受けられた方がいいのかもしれない、と多少、考えさせられた。

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