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Monday, September 25, 2006

Taiwan (ROC) (Jan.96)

96年1月、一人で台湾(台北/鹿港/台南)を旅行しました。

第一日 東京~台北

羽田の国際線ロビーに行くのは初めてだったので、かなりアクセスに手間取った。なんかうらさびしい印象がある。
搭乗したのは中華航空CI-101(17:05)。途中で一緒になった台湾のビジネスマンと他愛のない話をしながら搭乗。

台北着後、駐機スポットが空いていないとのことで、しばらく待たされ、かなり入国が遅れた。
彼が、適当なホテルへ車で送って行ってあげるというので、とりあえず松山機場行きの國光号へ。着後、松山機場へ迎えにきてくれた彼の義父の車で彼(義父)のアパートへ。
こじんまりしているが、外見からは想像できないほど、中は綺麗なアパートで、若い奥さんに、土豆仁湯をごちそうになる。
11時、彼が車で林森北路(農安街)の維也納大飯店へ送ってくれた。シングル1480元。ここに泊まることにして、日本での再会を約して別れる。
フロアーの服務員は男一人とみるや、女性は要らないのかとうるさかったが、12時を回ると何度か電話が鳴っただけで済んだ。ホテル自体は申し分なし。コレクトコールで自宅に連絡。ついでにリコンファームもしてしまう。

第二日 台北~鹿港

9時頃、中山北路三段~民権路周辺を歩き、晴光市場?周辺の屋台で巨大な包子(15元)と魚丸腸湯(40元)の朝食。ホテルに戻ってチェックアウトしようとすると、電話代とミネラルウォーター132元を請求される。
国際通話はコレクトコールだったはずだし、なにも飲んではいない。「チェックしてくれ」と言うと、一転して「オーケー。ノーチャージ。バイバイね」と言う。

民権路を西に進み、台北大橋の付け根から古い街路へ。建物は古い。どことなくペナンの中国人街を彷彿とさせるコロニアルな印象がある。
一段と二段の境の近くにある煉瓦づくりの消防署がなかなか洒落ている。漢方薬屋と乾物屋が多いので、土産をまとめて買うのにはいいかもしれない。
延平路を通って駅へ。12時5分の復興号で台中へ向かう。247元。 駅舎は巨大で綺麗。1Fが出札口でB1が改札、
乗場(月台)はB2F。2Fにはショッピングセンターがあったので、ここで大台北公車指南册(60元)を買う。ちゃんとライセンスされた「地球の歩き方」ガイドもあった。B1で駅弁と檸檬茶を買って80元。
電気機関車に曵かれる客車だが、車内は日本の特急列車と同じ。

台中着後、火車站を出てすぐ東の、円形をした公車南站へ行く。
鹿港行きが見つからないので、さらに道を歩くと、その隣にある彰化客運の窓口で、鹿港行きを買うことができた(70元)。
バスは途中、彰化市に寄ってから鹿港へ入る。彰化市はこの地方の中心都市の一つらしく、ガイドにはあまり載っていないが賑わっている。どの方向から鹿港に入るのかよくわからないので、住居表示を何となく見ながら、適当なところで下りる人にくっついて下りる。17時。
ちょうど鹿港鎮の中心、民族路と中山路の交差点だった。そのまま中山路を下って、全忠旅社にチェックイン。バス・トイレ共同300元。「日本人学生さん、みんなこっちに泊まる。みんな観光」とのこと。
暗くなる前に、九曲巷から龍山寺へ歩く。巷は思っていたより綺麗に煉瓦が敷かれている。十宜楼や意楼など、巷の煉瓦壁越しにちらりと見える建物が趣深い。
中山路には、仏具関係を売る店が本当に多く、華やいだ雰囲気は少ない。夕暮れの龍山寺は、本当に美しい。塗りも剥げかけていたり、色もくすんでいるのだが、落ちつきがあって良い。敷地はさほど広くないようだが、縦よりもむしろ横への広がりが感じられる建物で、安定感がある。
暗くなったので、一旦、宿に帰ってから夕食に出かける。実は翌日出かけた第一市場や天后廟など、街の北へ向かえばよかったのだが、それに気づかず、彰化方向に下って行ってしまった。
彰鹿路の方には、文武廟辺りに屋台があるほかは、数軒の店があるだけで「ずいぶん寂しい街だなぁ」という印象を持ってしまった。結局、その辺りの水餃子の店で牛肉麺と水餃子を食べる。何をまちがえたのか水餃子が山のように出てきてしまい、60元のはずが90元の夕食になってしまった。セブン・イレブンで台湾ビール(22元)を買って帰る。

第三日 鹿港~台南

7時過ぎに第一市場周辺へ出かける。ここは市場の建物もあるが、その周辺の路上全体に小吃店や屋台もあって活気がある。昨夜、ここにくればよかったとちょっと後悔する。
アンコ入り車輪焼(野菜入りもあった)2個(10元)と、豆漿(10元)、油条(6元)で朝食。油条は、昨年行った雲南で食べて以来の味で懐かしい。
九曲巷の北側に繋がる南靖宮や隣の老人會會舘の巷は、とても雰囲気がよい。天后宮を回って、宿に帰りチェックアウト。
瓶楼の脇を抜けて、鹿港民俗文物館へ行く。 立派な洋館で庭もあり、家族連れや観光客で賑わっている。
展示はしっかりしていて、巷に点在する各楼の謂れや、民具などが体系的に見られるが、130元はちょっと高いかな、と思う。入り口前で鹿港名物の牛舌餅を売っているが、6~10枚入りで60元ほどする。
ぶらぶら歩き、中山路沿いにある彰化客運站から、彰化行きに乗って鹿港を発つ。
昼に彰路火車站に着く(彰運で33元)。駅前の自助餐庁で、昼食を取り、目の前の火車站へ。12時29分発自強号1005次で台南へ。約1時間半、325元の移動。

少し体調が良くないので、台南に着くと、ガイドにあった駅前の一楽大飯店へすぐチェックインする。心持ち気温が高いような気もする。5Fまでの部屋はシングル780元だったが、服務員のおばさんが6Fなら700元と言って案内してくれる。5Fまでしかないエレベータのモータがあり、ちょっとうるさい分、安いらしい。
休憩してから、赤嵌城(プロビデンシャ城)へ。家族連れで賑わっている。お隣の天后廟を見てから、孔子廟まで歩く。廟は既に閉まっていたが、手前の2本のガジュマルの樹が巨大ですばらしい。黒いリスのような小動物が何匹も走っている。
中正路の度小月で、坦仔麺(小)+卵を食べて戻る。50元。思っていたよりこぎれいなところだった。(小)だと食事には少ない。

夜、西門路の小北夜市へ行くことにする。
ボーリング場の少し先に卸市場のような建物があり、屋台がたくさん入っている。木瓜牛乳(40元)をもらってぶらぶら。
棺材板(40元)、田鰻と意麺の炒めモノ(60元)を食べる。田鰻は、上海でも醤油味に炒めていたが、これが一般的な調理法なのだろうか。上海で食べたものよりかなり大きく、ぷりぷりした食感があった。
サトウキビ(15元)をかじりながら帰る。

第四日 台南~台北

朝食は魚丸湯(30元)。つみれに関しては日本のモノの方が口に合う気がする。中山公園へ散歩に行って帰ってチェックアウト。
市政府の観光課でガイドマップをもらう。ここはガイドブックにもあるとおりとても親切で、安平に行きたいと言うと15路バスに乗ればいいと教えてくれた。15路を探して昼前に小西門の手前の小ロータリーまでくるが、疲れて昼食。
天香菜粽肉粽専家というおばちゃん2人がやっている店で肉粽(30元)菜粽(25元)、油条の入った味噌湯(10元)。
満腹になると急に意欲がなくなり、民生緑園から成功路まで戻ってきてしまう。公園路に入ってすぐのところにある老街茶房で休憩。喫茶店はちょっと侘び寂調のおしゃれなところが多い。若い人がよく溜まっている。2階の窓際席は、ちょっとボックス型になっていて、ずっと粘れそう。
この店は「老街茶房」という機関紙のようなものを出していたりして、従業員人気投票など、まさに日本の喫茶店のノリだったのだが、結構、高かった。
どうせならと、一番高かった紫蘇梅茶の中サイズ(135元)を頼む。中サイズはまさに中ジョッキだった。小(100元)で良かったかもと悔やむ。梅味の霊芝茶のような味。
置いてあったガイドブックを読んでいると、やはり安平区に行きたくなり、あらかじめ列車の切符を買っておき、駅前のバスターミナルから行ってみることにする

バスは冷気車で15元。もちろん冷房はついていないのだが。他に乗客もいないので、運ちゃんに「安平古堡」と書いて降ろしてもらう。20分くらいで安平の天后廟の前に着いた。
安平古堡(ゼーランダ城)はのんびりした公園で上がると運河や台南市街地の見晴らしがなかなかよい。プロビデンシャ城にしてもここにしても、世界史の授業で教わっただけの場所を、実際に訪れてみるのは感慨深い...などと言ってもオランダ時代の遺構は、わずかに土塁や煉瓦と漆喰の壁くらいなのだが。
周囲にかつての商館跡があるらしいので、歩いて回ってみる。商館とはいっても寂れた洋風の別荘のようにこじんまりしていて可愛らしい。
運河のそばは田園地帯で、のどかな雰囲気。帰りのバスは待っても待ってもこない。おじさんが見かねてタクシーを停めてくれ「これに乗った方がいい」と中国語(推定)で言う。駅まで150元くらいと言うので乗ったが、メーターを倒してくれない。どうやら150元くらいというのを値段交渉と思ったようだ。なんとかメーターを倒してもらうが結局、135元、たいして変わらなかった。基本料金が書かれてある50元から60元に上がったらしく、それにメーターが対応していない(という事情を説明するのが面倒)、というのも理由らしい。

17時7分発、自強1102号で台北へ向かう。
21時15分、やや遅れて台北站着。そのまま中山北路の金星大飯店へ。えらくフロントが混みあっていると思ったら、スペシャルディスカウント中とのことだった。1600元の部屋が1008元だという。ここに泊まることにして「台湾料理の夕食」とやらを食べに林森北路近くの梅子レストランに行ってみた。
が、予想に反して綺麗な場所で、入り口には案内の店員まで立っている。戸惑いながら2階へ。ビーフンと青菜の炒めモノ、腸湯で370元。日本人がたくさんいる。

第五日 台北

国賓飯店の北の屋台で卵焼きと豆乳を食べる。公車指南では、国賓飯店前のバス停から故宮行きの213路が出ていることになっているのだが見あたらない。国賓飯店のコンシエルジェに聞くと、260路で中正路口まで行き、304路に乗り換えればいい、とのこと。その通りにする。こちらのバスは12元。
乗って隣の学生風の女の子に「中正路口」と見せて、教えてくれるように英語で頼む。わかってくれたようだ。
中山路を圓山を過ぎて北上し、ようやく右折したところで降車。バス停は福國民小となっていたが、すぐに「故宮」と書いた304路が来てみなぞろぞろと乗り込む。
運転席の上に「上車収票」と書いてある。先払いのことだろうか。乗り込むと「分段點 中正路口」と書かれたカードをもらった。車内は若い女の子でいっぱいになっている。途中の「東呉大学」で半分が降り、残りは終点の故宮前までいっしょだった。

入場料は50元。1Fから4Fまで多くの展示室があり、じっくり見るには2日間ほどはかかりそう。ガイドも多く、説明を小耳にはさむこともできるのだが、ツアー客はとにかく回るのが早い。
歴史外観を解説する部屋、甲骨文字の部屋から始まって、最も充実している書画と陶磁器、翡翠まで、一時間程度で回ってしまうようだ。
書画は日本人と中国人との好みの違いがよくわかる。陶磁器は分類が行き届いていて、見やすい。解説は各部屋に入るところに説明プリントが置いてあるほかはあまりなく、モノをじっくり見るタイプの展示になっている。書では「西湖十景」、陶磁では「福寿泰康(?)のデザイン」の特集展示が興味深かった。翡翠で有名な「白菜に留まったバッタ」は二種類展示されていた。

2時過ぎに出て、徒歩で中正路口まで歩いたがことのほか距離があり、おまけに寒いので、バス停の前のロッテリアで遅い昼食を取る。中は、試験勉強する 学生で埋め尽くされている。
ホテルに戻り、預けていた荷物を引き取って台北站横のバスターミナルへ。
6時に空港に着いたら、なんと帰途のCI便はもう離陸寸前になっていた。
17時と7時を間違えていたらしい。どうしようもないのでカウンターで明日の便に変更してもらう。会社と家に国際電話をいれ、すごすごとホテルへ。もう一晩、泊まることになってしまった。
長春街の北、林森北路辺りの店で意麺(20元)、扁食湯(30元)を食べておとなしく寝る。

第六日 台北~東京

12時の離陸なので、朝7時に起きてチェックアウト。朝食もそこそこに空港行きの國光号に乗り込み、無事空港へ着く。
台湾は日本同様、都会的で便利だった。台湾の人は英語は苦手な人が多いものの、一般的に日本人より親切でマナーを守る人も多く、快適な旅だった。もっともその印象は、私の短い旅行の中ではこの国の人たちの心の琴線に、十分触れることができなかったせいかもしれない。

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